四月に入ってもまだまだ気候は安定しませんが、そろそろ皆さんの動きも活発になってくるのではないでしょうか。
運動を始めるには最適な陽気となりますが、準備とケアを必ず怠らない様にしてくださいね。
さて、本日は後脛骨筋炎というものについてです。
内くるぶし (内果)に近い場所にあるのが後脛骨筋です。内果周辺では腱の走行 が急に変わる為に摩擦が起こりやすく、
腱は腱鞘と呼ばれるトンネルの中を通過します。そして腱が浮き上がってこないように屈筋支帯(くっきんしたい)と呼 ばれるバンドで上から抑えられています。
不良な歩く、走る時の姿勢や使い過ぎで繰り返しストレスがかかり続けるとこの部分で腱炎や腱鞘炎を発症しま す。それを後脛骨筋炎と呼びます。
内くるぶしの周囲に歩く、走ると痛みがある、内くるぶしの周囲が腫れている気がする、内くるぶしの後ろや下を押すと痛む、ランニングやウォーキングした翌日に痛みが強い、膝と足首を曲げるように体重をかけると痛い、つま先立ちをすると痛む、などの症状があります。上記でのランナーやウォーカーに見られますが、当院にはダンサーも多いためよく診られます。
初期では動けない程の痛みではない為、それを我慢して動き続けていると徐々に痛みが増してついには走れないどころか歩く際にも痛みが出現します。
原因は歩く、走る、つま先立ちなどの動きで使い過ぎの他に偏平足や外反足になっている方(足首を内返しにする力が弱まっている)、足の舟状骨が下方偏位してしまっている方、上記の外反足に関連して膝の外反が強い方などにも見受けられます。
そして見落としやすいのは足首の距骨がずれることによるオーバープロネーションです。立った時に踵の位置に異常が起きるオーバープロネーションは後脛骨筋に過度な負荷をかけてしまいます。
治療としてはまずは一番は安静にします。次に原因を導き出し、その原因に沿った根本的な解決を目指します。足首の調整は必須と言えるでしょう。
対症療法ではいつか再発します。当院は根本療法を目的としているためご年齢を重ねている人ほど根治までは根気がいるでしょう。
また、この疾病に限らず痛みを発症したら治すというのはすごく大変なことだとコラムをご覧の皆様は理解して頂けたら幸いです。とりあえず治す気は無く、その時痛みが楽になればいいと言う考え方では後で後悔すると思っています。
全ての疾病は早期発見早期治療そして根治。これが理想であり目指すべき所です。
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