最近気づいた事があります。子供の側弯症や膝の変形が激増しているのです。
私が担当してきたお子さんも、膝の形が悪かったり、姿勢のあまりの悪さに親御さんが心配して連れてくるケースが目立ちました。
そこで思ったのが「昔はこんなに背骨がひどく曲がったり、膝が悪い子(見た目だけでなく痛む)、足首が痛む子がいたかな?」
と、いう事です。もちろん猫背の子供も増えています。これは近代化により、姿勢が悪くなる環境が多くなっていることが一番の原因でしょう。椅子の文化などに加え、パソコンだったり、携帯だったり、ゲームだったり・・・枚挙にいとまがありません。しかし、側弯症は別です。いったいなぜ?
色々推理、検証していくと、1つの仮説が浮かび上がりました。
ここで側弯症についてです。側弯症は背骨が特徴的な歪み方をする病気です。主に右胸椎凸、となります。
側弯症は大きくは二つ。先天性と後天性。後天性でも、特発性側弯症は「構築性側弯症」、生活習慣や姿勢の悪さから生じる側弯は「機能性側弯症」となります。機能性側弯症は右胸椎凸とは限らないのが特徴です。
特発性側弯症は、思春期の女の子に多いです。原因は解明されていませんが、ストレスが大きく関与すると言われています。
思春期は複雑ですからね。
対して機能性側弯症。ここ数年で著しく目につく機会が増えています。
やはり生活習慣が関連していますが、それにしても多すぎます。そのうち全ての子供がなってしまうのか?と感じるくらいです。
子供の身体を全体的に観察すると、あることに気づきます。側彎がひどい子は膝や足首もセットで正常ではなくなっています。
そう、子供の背骨を脅かしていたものにも私が提唱する「足首理論」があてはまっていたのです。
子供はまだ関節がしっかりできあがっていません。その関節の状態でも、日々固いアスファルトやフローリングの上で走ったり飛んだり跳ねたりしているわけです。これで足首が悲鳴を上げない訳がないのです。都会の子供ほど顕著です。
大人になってからの足首のサスペンションの役割がしっかり構築されないうちに足首を繰り返し軽微な外力が日常的に加われば、子供の関節はあっという間に変形してしまいます。静力学的負荷変形という言葉が使われます。
サッカーなど足首をたくさん使うスポーツでは、子供時代から爆弾を抱えるはめになってしまいます。
もちろん「足首理論」があてはまっているので、足首自体は痛みを訴えない子がほとんどです。親御さんがO脚、X脚を心配されて連れてくることにより、発覚することが多いです。足首を治してあげれば子供の関節は素直ですから、O脚、X脚はしっかり改善されていきます。もちろん足首→膝と改善されていくと背骨の改善も期待できます。
では話は側弯症に戻ります。なぜ子供に機能性側弯症が多いのか。猫背がひどかったりするのは普段から猫背というだけでは全ての子供が猫背ではないと理屈が通りません。猫背では無い子供もいるのですから。
そこで導き出されたものが、足首がおかしくなる→膝が変形する→変形が強い膝側の方向に、下半身の支えがなくなっているため、背骨が支持を失い曲がっていく、という仮説です。これが続けば背骨を支えているインナーマッスルも弱ります。
弱るから余計に身体を支えられない→より姿勢が猫背になるという悪循環です。
さて、ここにある高齢者との共通点も浮かび上がります。
そう、上記のプロセスは、高齢者が変形性膝関節症及び亀背、円背といった高齢者独特の姿勢及び関節変形のメカニズムと一緒なのです。
恐ろしいとは思いませんか?これを放っておけば、将来は子供たちが子供のうちにご年配と同じ姿勢になっていってしまうかもしれません。とすると、その子供たちがご高齢になるころには一体どんな辛い身体になってしまっているのか。想像するだけで悲しくなります。
あれ?うちの子の背骨おかしいかな?膝が曲がっているような・・・
気づいてあげられるのはそばにいる親です。ぜひ、お子様の将来のためにも、注意して見てあげてください。
そして最重要の足首を早めに治してあげてください。
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