「ありえない」は、ありえない。

最近肩が痛い・・・というのを、肩こりと間違えて認識し、マッサージだけなんとなく受けていつまで経ってもその時だけしか楽にならないとか、恐らく相当の方が陥っているかと思います。

私たちは経験則と医学書を元に状態を把握し、適切な施術をします。しかし、人体と言うものはそう簡単には理解できるものではなく、医学書通りの症状で来所される方などは実は圧倒的に少ないのが現状です。

医学書はよくその疾病を起こす年齢層、性別、症状、治療法、予後などが書かれていますが、それを盲目に信じすぎてしまうと、その場での最良の選択をすることが出来なくなります。

例えば圧迫骨折という症状があります。

背骨というのは四角い椎体と呼ばれるもので構成されており、前後に生理的湾曲を作り、身体のバランスを維持します。

腰の圧迫骨折を取り上げた場合、腰椎と言うものは前にカーブして腰より上の重みをうまく逃がしています。

しかし前にカーブするという事は後ろへの負荷に弱くなります。カーブがきつくなってしまうからですね。

ですからほとんどの場合腰の圧迫骨折はしりもちを衝いたとか、重い物を一気に持ち上げる、または支えると言う、後方へのテンションをかけた際に発生します。これは医学書にも載っています。

これをそのまま鵜呑みにしていますと、例えば私はごみを出そうとして躓いて、前に転んでしまって腰を圧迫骨折した方を診たことがありますが、勢いがついていてもなかなか前方への衝撃で折れることはありません。

骨粗鬆症を患っていればまた話は違いますが、そうでもない場合は「ありえない」と思ってしまいます。

だって医学書に書いてある症例と全く当てはまらないのですから。

もう一つ例を挙げますと、子供の怪我についてです。

子供と言うのは非常に柔軟性に富み、その柔軟性は軟部組織だけでなく骨にも及びます。

つまり骨がある程度まだ軟らかいため、折れることがそもそも少ない、というのが医学書に記されています。

関節の可動域もそれはもう柔らかく、折れずに捻挫で終わったりすることもたくさんあります。

もちろん状況により衝撃が強ければ折れることもありますが、折れる前に負荷がかかりすぎると脱臼してしまうことが多々あります。ですから関節に負荷がかかった場合は柔軟性に富む子供は骨折よりは脱臼の方を疑う機会が多いのです。と、これも医学書に載っている記述です。

しかし近年子供たちの骨はどんどん弱くなってしまっている傾向が診られ、例えばキャッチボールをしていて、ボールを投げた瞬間に上腕骨が折れた症例などもあります。ちなみに小学生の男の子です。これは今までの経験則からすれば「ありえない」です。

最近も手を地面に衝いて、衝いた上から友達にのしかかられ、親指に二人分の体重がかかった子供がいました。

指は縦の長軸方向の圧が加わると、負荷が強くなれば耐え切れずに色んな方向に曲がってしまうものです。

曲がるとやがて関節の正常な範囲内を超えてしまい、脱臼に至りますが、この子供の場合は親指が縦に割け、二つに分かれた骨折を起こしました。これも経験則からすれば「ありえない」と思ってしまいます。脱臼が先だろうと。

しかし上記の症例はいずれも「ありえた」訳です。自分の医学書や経験則での物差しだけでは常識が非常識になる時代になったという事でしょう。

だからこそ、今まで以上に医師との連携が大事であり、疑わしきはまず医師の見解を頂く、というのが大事です。

中には、自分がなんとかする!と息巻いて施術をしようとする先生も多いですが、勇気をもって医療機関にゆだねることが迅速で適切な行動につながり、患者さんへの最良の選択となることも忘れてはいけないと思います。

そして、医療機関で診てもらって異常がなかったけど痛い、治す術がない、年齢だから、痩せないと、運動しないと、などの言葉が出始めたらいよいよ私の出番です。

必ずやあなたの力になれるでしょう。

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