昨今子供たちの腰痛が増えております。先日インターネットでも話題になっていたのがとにかく「ランドセル」が重すぎるというものでした。統計では小学校1年~3年生のランドセルの重さの平均が7.7㎏もあるそうです。
これは体重の3分の1ほどありますよね。そして重みのためにランドセルと子供の背中に隙間ができる。この隙間があると、子供の背骨は正常よりも後弯してしまい、腰痛に至るというものです。
ここで私からこの分析に2点ほど注意点があります。
①背骨が後弯しても背骨が左右に曲がっていなければ痛みは生じない(ただし背骨が後弯したものが形状記憶される恐れあり)
②そもそも背骨が左右に曲がる原因を足首が作っている
以上の2点です。この2点を理解して頂かないと、例えランドセルの重さを見直しても、子供たちの痛みを根本から取り去ることは出来ません。
小中学生のお子さんがいらっしゃる方はよくご子息の足、脚に注目してください。
腰痛を抱えている子が椅子に座ると必ずO脚またはX脚と、足の裏が地面にしっかりとくっついていない状態になっています。
これはどういうことなのでしょうか。
実は膝の向きというものは足首に全て一存しています。つまり足首の状態が悪くなると必ず一緒に膝の状態も悪くなる仕様になっているのです。
足首と膝の状態が悪くなると、下半身の支えを失った上半身は前に倒れてきます。これが子供の猫背が激増している理由です。
そもそも足首が悪くなる原因は地面や機能性の低い靴が作っています。外ではアスファルト、コンクリート。家ではフローリング、学校ではタイル。
古来より日本人は地面の柔らかい所で生活していた関係で、足首周囲の関節が地面からの衝撃に耐えるぐらい柔らかくなる進化をまだ遂げていないのです。
西洋では常に地面が固いため、その固さに対応するため西洋の人はクッション性を増すために関節が柔らかく進化し適応しました。
私は色々な国の人の関節を診てきましたが、恐らく日本人の関節が一番固い傾向にあります。
ましてや子供の関節はまだ出来上がっていません。出来上がってないうちに地面の固さから生じる衝撃により足首を病んでしまうのです。
急速な文明の進み具合に、まだ日本人の身体は適応できていない、適応する暇もないぐらい世の中が進歩しているのです。
便利な世の中になるのは素晴らしいことですが、日本人の健康は年々損なわれている気がしてなりません。
今の日本の状態に対応できる「新人類」が生まれてくるのはまだまだ先の話でしょう。そのためには足首に危機感を持たなければいけません。危機感が無いと進化しようとも思わないからですね。
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